『日本沈没』を見た
先日、草ナギ剛君主演の『日本沈没』を見ました。
ということで、まず最初の感想としては、「日本製のパニック映画もここまで来たか・・・」なんて偉そうなことを言ってみたりしたくなるほど、映像的にはなかなか素敵なシーンが多々ありました。平成ガメラシリーズを手がけてきた監督さんということもあり、各都市が破壊されていく描写はとても迫力があり、この映像を見ただけで「まあ、いいか・・・。」と思えてしまうほどです。東京タワーが、五重塔が・・・奈良の大仏が・・・次々と破壊されていく様はとても迫力があり、そして悲しげでした。
この先は、まるっきりのネタバレですので、これから見ようと思っている方はご覧になるのを控えたほうがよいかと思います。
さてこの映画、冒頭でいきなり日本が沈没することが判明します。
それも10年後に完全に日本が沈没してしまうというシミュレーションがアメリカの研究チームから日本政府に報告されます。
それを聞いた日本のお偉方がまだ10年もある・・・などとタカをくくるなか、首相である山本(石坂浩二)だけは真剣に日本を救おうと、諸々の準備をするのですね。なんと素敵な首相なのでしょう。と思っていたらくるくるパーマの田所博士(豊川悦司)が「日本は1年後には沈没するのだ!!」と驚愕の事実を政府に突きつけたものだから、さらに大騒ぎ。
真剣に対応しようとする首相に対し、そんなのでたらめだと取り合おうとしない日本の地球物理学の権威。
結局は田所博士の予言どおり日本がガンガン沈んでいってしまいます。
さあ、日本と日本人の運命やいかに・・・。
っていう映画です。
最初にも書きましたが、日本が沈没していく映像はとても迫力があり説得力がありまして、よくCGがひどくてストーリーに集中できないなんて映画もありますが、そんなことはまったくありませんでした。映像的にはよかった分、物語の部分でけっこう気になったところがありました。
一番気になったのが、草ナギ君です。
草ナギ君というか、当然のことながら草ナギ君が演じた小野寺という男が気になりました。
だってこの人(たぶん)主人公のくせに、はじまって1時間50分ぐらいはほとんど何もしてません。なんかただ、酒飲んでいるだけです。
で、同僚(?)の潜水艇パイロットの結城(ミッチー)が日本を救うミッションのため命を落として初めて主人公らしい動きを見せ始めるのです。
それまでは、ただ被害現場をウロウロしてハイパーレスキュー玲子(柴崎コウ)に「いっしょにイギリスに行こう。」と日本から脱出することしか考えていませんでした。
感情移入しづらいことこの上なし。
そのお相手の柴崎コウも映画の冒頭でミラクルレスキューを見せたかと思ったのもつかの間、意味なく訓練中に腕を負傷し現場に出られなくなります。この意味が本当によくわかりません。
まあ、普通の男がだんだん様々な苦難や愛を知り、その愛を守るため命をかけて立ち上がるという過程を描きたかったのでしょうが、とにかく前半は草ナギ君が何もしなさ過ぎなのでちょっとがんばろうよ・・・と言いたい感じなのですね。
意味がわからないと言えば、草ナギ君と柴崎コウの恋愛話もわかりません。
無理やり最後の別れをドラマチックにするため無理やり恋愛関係に持ち込んだ印象です。
最後の最後、草ナギ君はレスキュー作業中の柴崎コウの元に行き「明日イギリスに発つ。」と告げます。イギリスに発つというのはもちろん嘘で、死を覚悟して最後の別れを告げに言ったわけですが、もしかしたらこの期に及んで、本当にイギリスに行く気なのでは・・・と思ってしまうほど、今ひとつ信用ができない草ナギ君なのですが、ここからはちょいとラブストーリーになるわけですが・・・
チューして、柴崎コウの寝泊りしているテントの中へ・・・・。
「抱いて・・・」
「今はできない・・・」
へ?????
まあ、どうでもいいですけど。
ハリウッド映画みたいに、やたらと激しいエッチをしなくてもいいですけど、じゃあ最初っからこのシーン必要ないんじゃないかな・・・ってね。
そして最後のシーンです。
日本の沈没を止めるため、ユーラシアプレートを爆薬で沈んでいく部分を吹っ飛ばしてしまおうという作戦が進行中。
爆薬を深海に打ち込んだ杭にセットすればよいのだが、爆薬はセットと同時に爆発するので、爆薬のセットは爆発に巻き込まれる(=死)ことを意味しているのですね。
だがしかし、愛に目覚めた草ナギ君は、愛する人を守るため旧式の深海潜水艇に乗り込み日本を救うため命を賭けて深い深い海の底に潜っていくのでした。
数々のピンチはあったものの爆薬をセット、次の瞬間太平洋を無数の爆発による水柱があがる。
その直後、噴火寸前だった富士山も沈静化し、日本は完全な沈没の危機から脱出できたのでした。めでたし、めでたし。
そして、地球を救う大活躍をした草ナギ君は・・・・、草ナギ君は・・・・。
って、草ナギ君死んじゃったのーーーーーーーー???
ええっ~~~!すっきりしね~~~~。
ってことで、とにかく一番の不満点はあっさりと草ナギ君を殺してしまったことですね。奇跡がどうのというなら、草ナギ君を生還させてくれればいいのにって思うわけです。
いや、百歩譲って死ぬにしたって、もうすこし見せ場があっていいなじゃないかなぁ・・・って。だって本当に前半から中盤にかけて、草ナギ君はなにもしてないんですから。本当は主役でもなんでもないのかも。
と久しぶりにたくさん感想を書いてみたのですが、なんだか全然まとまりのない文章になってしまい、書いている本人ですら意味不明の箇所が多数あります。
が、この『日本沈没』、それなりに楽しめたことは間違いありません。なにがよかったかとまとめると
・石坂浩二がいい人で素敵
・豊川悦司がむちゃくちゃで素敵
・ミッチーがなんか太っているように見えるけど、いい人。
・大地真央がかっこいい
・日本の名所が沈んでいく様が迫力あり
って感じでしょうか。
でもこれ、ミスターチルドレンの「HERO」を主題歌にしたらよかったんじゃないっすか?
まんまですが。
<追記>
大事なことを書き忘れていました。
映画の中で一番印象的だったシーン。
石坂浩二首相が日本があと1年で沈没してしまうかもしれない今、われわれはどうすればよいのかというのを、各界の有識者(?)等々に意見を求めたところ、まったく違った分野の人から同じ意見が届けられたという。石坂首相は、個人的にはその意見が一番しっくりきたといいます。
それは
「何もしないこと・・・」
だそうです。
沈み行く日本と共にいる、それが日本人として一番しっくりくると思う・・・と。
そう思いつつも日本を救いたいという気持ちもある。
そんな深い想いを持つ彼は噴火に巻き込まれ死亡してしまうのです。なんかとても切ないシーンでした。
さらに、本編とはまったく関係ない部分で気になったこと。
実は、草ナギ君の実家は福島で造り酒屋を営んでいるようなのですが、現在はどうやら姉が継いでいるようなのですが、その姉というのが和久井映見だったのです。
「・・・夏子の酒?」
と心の中でつぶやきました。
きっと何人かのひとは、きっとそう思ったに違いないです。
まったく、関係ない話ですが・・・・。
見てないのに読んじゃいました。
なるほどー。
スマステの月イチゴローは絶賛してましたが。やはりゴローちゃんアテにはならない。
パロディの「日本以外全部沈没」もそろそろどこかでやってるんですかね。こちらも気になりまする。
藤岡弘、自爆するらしいし。。
いやいや、“それなりに”面白いです。本当です。沈没シーンは絶賛してもいいかもしれませんし。これをふまえて、『日本以外全部沈没』を見るというのが正しい観賞方法だと思います。
『日本沈没』の感想ありがとうございます^^
かなり面白かったようですね。
でも、登場人物の行動が意味不明??結局、肩透かし?
主人公の草ナギ君、ぎりぎりまで何もしないんだ...ダメじゃん。
まるで『アルマゲドン』のブルース・ウィリスですね。
宇宙と海の違いだけで、ストーリーもそれっぽいような気が...
面白ければいいか。
グエムル行くか!
>ぽんさん
そうそう、『アルマゲドン』です。
ただ、あちらの盛り上げ方はやはりうまいと思います。『日本沈没』では、CMでもおなじみの「めぐり会~えた~~~♪」と主題歌流れる中、主人公二人が抱き合うシーンが一番のクライマックスだったようです。
>大間さん
ですね。行きましょう。『グエムル』。
別々に。